災害のために備蓄・備えておくべき薬【一覧】

地震大国、日本。

一定周期で大地震・災害が起き、良くも悪くも”地震慣れ”をしている方がほとんどでしょう。

また、テクノロジーの進化により建造物などの安全性が高まったり、情報網の発達でどこにいても誰とでも連絡が取れる世の中になりました。

しかし、災害はいつ起こってくるかわかりません。

大災害が起こった場合、あらゆる機関が機能しなくなります。

医療機関も機能停止になり得ます。

そうなった時のためにも、今からできる準備(特に医薬品)について解説したいと思います。

この記事を執筆している私は東日本大震災の津波による被害を受けました。

その経験から、今からできることをお伝えできればと思います。

災害には備えあれば憂いなしです!

大地震・大災害の危機

最近では南海トラフ地震や首都直下型地震が起きる確率が引き上げられたりと、日々注意して過ごさなければいけない周期に到達したと言えるでしょう。

いつ大地震・大災害が起きても対応できるよう、今のうちから準備できることを済ませるべきです。

特に被害の大きい地域の医療機関では、人員不足やライフライン停止によって十分な医療が提供できないことも想定されます。

我々薬局の機能も停止した場合、医薬品の提供が不可能になる可能性もあります。

被害の小さい地域でも同様のことは起こり得ます。

そうなった時、備え・準備をしていた人が有利になるのは確実です。

東日本大震災の実体験

私が大学生の頃、東日本大震災が起きました。

まさかこんな大地震・大災害が起こるなんて、想像できませんでした。

この経験から、得られたことを実体験を交えながら解説していきます。

地震発生直後〜数日間

私の通う大学は内陸でしたが、実家は沿岸だったため、被害は凄まじいものでした。

地震発生直後、すぐ両親へ電話をし、「今、車で避難途中!ごめん、後でかける!」と言われ10秒程で電話が終了。

その後、何回かけても繋がることはありませんでした。

携帯電話の電波も次第に繋がりにくくなり、連絡すら取れなかった記憶があります。

以降、家族1人1人に電話をかけても誰とも繋がりません。

大地震発生後はコンビニ、スーパーから物が一瞬で消え、ガソリンスタンドでは長蛇の列。

当時は日頃から地震に対する意識が低く、保存食など一切ストックしていない状態でした。

避難所で避難生活を数日間送りました。

全国からの支援物資のお陰で毎日おにぎりやパン、そして毛布などが支給され、耐え凌ぐことができました。

本当に皆様へ感謝いたします。

その間も、毎日1時間おきに家族へ電話をかけても誰にも繋がりません。

もうこれは”終わった”と思い、今後の葬式をどうするか、どう生きていけばいいのか、絶望状態です。

家族からの生存連絡〜被災地へ帰省

避難生活5日目くらいでしょうか。

父親から電話があり、家族全員の生存が確認できました。

後日、地元へ戻り被害の確認をした結果、家があった場所は瓦礫の山でぐちゃぐちゃでした。

泣き叫ぶ人々、言葉を失って立ち尽くす人…色々な人が見受けられ、混乱状態です。

そんな中、常備薬が津波で流され、困っている人が多かったです。

過疎地のため病院も薬局もなく、ましてや津波の被害により病院がある隣町への移動も規制されていました。

現地に医療が行き届くまで数日間(約1週間)かかったとのことです。

このことから誰もが知っているとは思いますが、大震災が起こってしまうとありとあらゆる物が止まってしまいます。

津波に巻き込まれてしまえば、全てが一瞬で消え去ります。

とは言え、家の中に必要最低限の医薬品は備えておくべきだと強く思いました。

特に常に使用している大切な薬はいつも持ち歩くカバンの中にいくつか入れておくべきです。

命に関わる薬であれば、尚更です。

「なんとかなるでしょ」と言う軽はずみな考えは通用しません。

大切な薬が津波で流されてしまい困る人々と直面し、常備薬の重要さに改めて気づきました。

災害のために常備・備えておくべき薬の一覧

さて、ここからは本題である災害時のために常備・備えておくべき薬について記します。

以下の必要最低限の薬があれば、一安心できるかと思います。


①風邪薬
→総合感冒剤、咳止めなど

②解熱鎮痛剤
→急な痛み、発熱に使えます

③胃腸薬
→腹痛、胃もたれ、下痢、便秘で使えます

④湿布

→怪我の時など

⑤ステロイド軟膏

→虫刺されや湿疹、蕁麻疹などで使えます(蕁麻疹持ちの方は抗ヒスタミン剤の飲み薬もストックしておくとGOOD)

⑥抗菌軟膏

→怪我や切り傷で使えます

⑦抗炎症点眼薬

→急な目の炎症や痒みで使えます

その他、災害で必要なこと

その他、必要なこと・物についてご紹介いたします。

①災害セット一式
②スマホ充電器
③避難所の確認
④地図
⑤現金
⑥メガネ、コンタクトレンズの予備及び洗浄液

個人的な主観にはなりますが、②以降は意外と忘れがちな物かなと思います。

スマホ充電器について

スマホ充電器に関しては、避難所でも充電できることもありますが、当時は充電器が限られていたため常に順番待ち状態でした。

わずかに電波が使える状態ならば、情報収集ができるので生存確認も可能です。

2-3日分の充電ができる充電器が必要です。

避難所の確認について

また、意外にも避難所の確認ができていない方がほとんどだと思います。

当時は私も避難所の場所がわからず、道ゆく人に聞いてやっと辿り着きました。

併せて地図の購入も必要です。

避難所ではあらゆる物資が届くため、生きるためには絶対に知っておかなければいけない場所です。

とても心強い場所になります。

現金について

今や電子決済が主流ですが、災害によって電気が止まってしまうと役に立ちません。

現金でのやり取りが強いられます。

スーパーやコンビニ、ガソリンスタンドには人が押しよせ、早い者勝ち状態になります。

お店側の現金にも限りがあります。

釣り銭を出さないためにも硬貨を多めに持っておくと良いと思います。

災害時は硬貨の方が使い勝手が良いです。

メガネ、コンタクトレンズについて

常にコンタクトレンズを装着している方は注意すべきです。

もし仮に自宅が倒壊・津波により流されてしまった場合、コンタクトレンズの替えがないまま過ごすことになります。

メガネを自宅に保管してる方がほとんどでしょうから、出先で震災が起きてしまったら大変です。

そうならないようにためにも日頃からメガネとコンタクトレンズの替えをいくつか持ち歩くことをおすすめします。

最後にまとめ

さて、震災の経験から、今準備できることをいくつかお伝えしました。

情報として既に知っている方も多いかもしれません。

「備えあれば憂いなし」という有名な言葉が昔からあります。

あらゆる場面で使える言葉ですが、特に震災に関しては超重要キーワードになります。

事前の備えの重要性を頭で理解していても、”知っているだけ”で実際に準備完了している方は少ないでしょう。

今のうちからしっかりと準備しておくことで、命が助かる確率が上がると言っても過言ではありません。

震災に役立つ内閣府の情報サイト

■地震について【地震ではどのような災害が起こるのか】
→地震発生時の行動など

■津波について【津波ではどのような災害が起こるのか】
→津波発生時の行動など

■避難について【避難はいつどこに?】